高齢者の住まいは、どうあるべきか?(平成22年2月)
先日、新築の高齢者向け賃貸住宅を見てきました。
今高齢者の住まいは、少しずつ新しいタイプが建築されているのでしょうが、なかなか適当なものがありません。
元気であれば、もちろん自宅がベストなのでしょうが、大抵の場合、自宅は若い時に建てたもので、バリアフリーではありません。
またそれぞれの設備も、老人向きには出来ていません。改良すれば良いことは分かっているのでしょうが、まだ大丈夫だと思っているうちに風呂場や階段での事故など、自宅での事故が少なくないようです。
また、老後の住まいとなる各種老人施設は、沢山の種類があります。
代表的なものとして比較的介護度が高い方対象の特別養護老人ホームの場合は、もうほとんど一杯で長期順番待ちの状態であり、一方有料老人ホームは、入ることはできるものの、まだまだ高額のものが多い状態です。
その他の施設も多くは健康なうちは住めますが、一旦病気や介護が必要な事態になると、そこから追い出され、居続けることはなかなか困難なものがほとんどです。そのまま「終の棲家」にはならないわけです。
今回見学した住居は、マンションタイプで全部単身用の作りでした。地下鉄の駅から3分で、駅前の数々の店が使える点では立地としては申し分ありません。
入り口のセキュリティもしっかりしており、全館内廊下でバリアフリー、各部屋はホテルの
部屋のイメージで、タンスなどが転倒しないように、家具などもすでにシステム収納の形で設置されています。
各部屋には、洗濯機や簡単な調理ができる台所があり、中で倒れた場合に備えてトイレなど一定時間動きがないと、センサーで警備会社へ通報されます。収納場所も結構確保されています。ここに入り切らないものは、別途トランクルームに入れるようになっています。
玄関から入ると、広い空間があり吹き抜けのある共用のラウンジ・多目的ホールがありました。1階には中庭もあります。また、医療機関などとも提携しています。共用のラウンジ・多目的ホールは、かなり豪華な感じで見映えが良いですが、部屋は完全なマンションの独立部屋のようになっているので、1人で暮らすには寂しげな印象もありました。当日は寒かったので、特にそのように思えたのかもしれません。
これから高齢者の住まいは、人数が増えることで次々いろいろなタイプが開発されていくでしょう。ここでの話し合いの席でも意見が出ていましたが、やはり日本人は最後まで自宅に固執しがちで、住み替えが遅れがちだと思います。また住み替えするにも、適当な住居がないからということもあるでしょう。
とうとう介護状態など、どうしようもなく本当に困ってから、適当な所をあちこち探し回るのが現状です。身体状況に合った住まい方に順番に移っていくような形があってもよいのではないでしょうか?
自宅では、立地は変えようもなく、設備も変えにくく、身体状況などに応じて住まい方を変えようとするときには、なかなか思うようになりません。外部の医療・介護などの支援を受けるにも便利ではありません。
一方有料老人ホームも、自宅を売って多額の入居一時金を払い「終の棲家」のように思い勘違いして入居すると大変です。
長い時間では、運営会社の倒産もありうるし、施設の人間や体制が変わって非常に住みづらい状況に変わることもあります。また体の状況が悪くなると、多くの施設は居られません。多額の入居一時金が、わずかしか帰って来ないなどのトラブルも少なくありません。
今後は、もっと「賃貸住宅」の柔軟さが評価されて、年齢や身体状況、資産状況に応じた幅広い高齢者の住まいが増えることが期待されますね。
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